世界のモビリティ事情

神奈川県・横浜市

横浜市では、同市に本社を置く日産自動車と共同で、エコ運転普及のためのウェブサイト開設、渋滞改善のための経路案内システム実証実験、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の購入や充電施設設置に対する補助などを内容とする「ヨコハマモビリティ・プロジェクトゼロ」を、2009年から5カ年計画で実施しています。

鉄道では、相模鉄道西谷駅付近から、JR貨物羽沢駅を経由して、東急電鉄東横線日吉駅へと至る新路線建設に対する補助を行っています。一方自転車では、NTTドコモと共同で、2011年4月から3年間の予定で、コミュニティサイクルの社会実験「ベイバイク(baybike)」を実施しています。

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ベイバイク(神奈川県横浜市)

ベイバイク(神奈川県横浜市)

富山県・富山市

富山市では、「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」を核にしており、2006年に廃止が議論されていた旧JR西日本富山港線を路面電車化し、富山ライトレールとして生まれ変わらせました。同年からは同じJR西日本の「高山本線活性化事業」として増便と新駅設置、パークアンドライド実施の実証実験を始め、一定の効果が得られたとして実験終了後も継続しています。

さらに2009年には富山地方鉄道市内線を延長して環状運転(愛称:セントラム)を始め、2010年にはコミュニティサイクル「アヴィレ」を導入しました。今後も富山地方鉄道上滝線への市内線乗り入れが計画されているなど、自動車に依存しないまちづくりに積極的に取り組んでいます。

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セントラム(富山県富山市)

セントラム(富山県富山市)

長崎県・五島列島

長崎県は、経済産業省による電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHV)普及の実証実験事業「EV・PHVタウン構想」のモデル地域に選ばれています。その一環として2010年から、「長崎EV&ITS(エビッツ)プロジェクト」として、五島列島をモデルケースに、電気自動車をレンタカー等として140台(五島市82台、上五島町58台)導入しました。

さらに同プロジェクトでは、急速充電施設を24基(2011年度中に27基までに増設)用意するとともに、各種周辺情報送受信用のITSスポットも6箇所整備しました。ITS技術を活用して、観光地の情報・イベントの案内を実施しており、今後は各種オプショナルツアーの自動誘導、充電料金やお土産代などの自動決済などの実施を検討しています。

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長崎EV&ITS(長崎県五島市・上五島町)

長崎EV&ITS(長崎県五島市・上五島町)

中国・上海

上海では他の中国の一部都市と同様、環境対策の観点から、ガソリンエンジンで走るオートバイの市内への乗り入れが禁止されています。そのため電動自転車や電動スクーターが数多く走行しています。自動車の世界でも電気自動車の販売が始まっており、それに合わせて充電施設も市内各所に設置が進んでいます。ディーゼルエンジンのバスよりクリーンであることから、トロリーバスも使われています。

2009年からはコミュニティサイクル「永久公共自転車」の整備も始まっており、昨年時点で台数は1万台以上、拠点数は200カ所以上を数えています。さらに2010年には、市東部浦東地区のハイテク工場が建ち並ぶ地区に、ゴムタイヤで走る路面電車が走り始めるなど、環境対応型モビリティの整備は着々と進んでいます。

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張江有軌電車1路(中国・上海)

張江有軌電車1路(中国・上海)

フランス・パリ

パリではベルトラン・ドラノエ現市長の指揮のもと、環境に優しいモビリティを積極的に導入しています。世界的に有名なコミュニティサイクル「ヴェリブ」は2007年の導入で、その前年には、郊外で先行導入されていた路面電車が、70年ぶりの復活という形で走り始めました。また2008年には、セーヌ川を航行する水上バス「ヴォゲオ」がやはり復活を果たしています。

これ以外にも、バス専用レーン「モビリアン」や深夜バス「ノクティリアン」の導入、自転車道やバスバイクレーンの設置、地下鉄や近郊電車の延伸とパークアンドライド整備が行われており、2011年秋には電気自動車を使ったカーシェアリングを開始する予定があるなど、世界レベルで見ても1、2を争うモビリティ革命が進行中です。

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ヴェリブ(フランス・パリ)

ヴェリブ(フランス・パリ)

オーストリア・ザルツブルク

オーストリアやスイスは面積こそ大きくありませんが、高地にあるため大気汚染の影響を受けやすいうえに、内陸国ゆえ自国の環境問題が周辺国にも大きな影響を及ぼすことから、早くから地球に優しいモビリティを大切にしてきました。そのひとつが電気で走るトロリーバスです。

オーストリアのほぼ中央にあるザルツブルクには、地下鉄はなく、路面電車も戦後早い時期に廃止されましたが、代わりにトロリーバスが10路線146㎞もの営業距離を有しています。ザルツブルクは自転車の普及にも積極的で、自転車道は170㎞、駐輪場は5500カ所あり、「シティバイク」と名付けられたコミュニティサイクルも設置されています。

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トロリーバス(オーストリア・ザルツブルク)

トロリーバス(オーストリア・ザルツブルク)

オーストリア・ザルツブルク

スウェーデン第2の都市ヨーテボリは、路線数13、路線延長160㎞にも及ぶ、スカンジナビア地方最大の路面電車ネットワークを持っています。長さ1㎞にも及ぶこの都市のメインストリートの「アベニュン」にも路面電車が走っています。路面電車とバスでホームを共用している停留所もあり、利便性を高めています。

バスと言えば、ヨーテボリでは2001年から「フレックスライン」という名前の高齢者向けデマンドバスを運行しており、この種の公共交通機関の先駆者的存在です。自転車道の整備も進んでおり、毎年4月から10月まで、「コントロール&セット」と呼ばれるコミュニティサイクルも用意されています。

※内容はすべて2011年8月現在

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トラム9系統(スウェーデン・ヨーテボリ)

トラム9系統(スウェーデン・ヨーテボリ)